論述試験「問い1」の解答パターン

論述試験
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キャリアコンサルタントの対応による展開の違い

JCDA論述試験の「問い1」について、解答パターンの考え方の一例をご紹介します。「事例ⅠとⅡはキャリアコンサルタントの対応の違いにより展開が変わっている。事例ⅠとⅡの違いを下記の5つの語句(指定語句)を使用して解答欄に記述せよ」という問いです。

ポイントは、「事例ⅠとⅡの違いを記述」なので、どちらが「良い」か「悪い」かということではないこと。また「違い」とは「展開の違い」であること。「展開の違い」が生じている原因は「キャリアコンサルタントの応答の仕方(対応)」と読み解けると思います。

特に注目すべき逐語録の部分は、共通部分の最後のCLの発言と事例Ⅰおよび事例Ⅱの冒頭のCCtの応答です。「キャリアコンサルタントの対応」とは、「クライエントの話の受け止め方」と「クライエントへの問いかけ」ということです。正にこの部分が展開の違いを生じさせている分岐点ということになります。「問い1」を解くための最重要ポイントと言えます。

解答パターンとは「相談内容(事例、ケース)にかかわらず、解答の形を作る一定のもの」ということになります。ご自身の言葉であらかじめ作成しておくと試験本番で焦らずに落ち着いて解答を進めることができます。解答パターンの作成の仕方は下記のとおりです。

「事例Ⅰでは、①のため、②という展開になっている。一方事例Ⅱでは、③のため、④という展開になっている。」これが解答の骨子となります。 そして①と③には「キャリアコンサルタントの応答の仕方(対応)」、②と④には「この面談の方向性」を入れていくのです。

「キャリアコンサルタントの応答の仕方(対応)」の部分は、「面談場面で、キャリアコンサルタントがやらなければならないこと、やってはいけないこと」を中心に構成していきますが、その根拠(理由)となる部分は逐語録の具体的な発言を引用していきます。

基本部分の構成例

基本部分のパターンを作成する上で重要鵜なのが、面談の基本を押さえておくことです。面談は日常会話とは異なり、キャリアコンサルタントが意図的に構成していくものです。その基本的な流れは、下記のとおりです。

  1. 受け止め
  2. 共感的理解
  3. 経験の再現
  4. 気づき
  5. 自己探索
  6. 方策

このような流れを踏まえて、パターンを作成していきます。

事例Ⅰでは、クライエントの内的感情を受けとめず、「(キャリアコンサルタントの応答)」といったキャリアコンサルタントの価値観を一方的に押し付けて、クライエントに寄り添うことなく、「(キャリアコンサルタントの応答)」と断定的に誘導していることによって、クライエントの内省が進まない展開となっている。一方事例Ⅱでは「(クライエントの発言)」というクライエントの感情が込められた言葉を受け止めて、クライエントに共感し寄り添っている。また、「(キャリアコンサルタントの応答)」とクライエントの経験に問いかけを行うことで、クライエントの自己探索を促し、内省が進む展開となっている。

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