第12回論述試験解答例(JCDA実施分)

論述試験
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「問い1」の解き方

指定語句を使用して展開の違いを記述する問題です。「指定語句」は結構悩ましいもので時間の浪費と焦りを生み出します。指定語句から解答を導き出す方法は、ある程度機械的に進められ時間の節約ができて、ポイントを捉えて減点要素を最小限に抑えられる解答方法ではないかと思います。

指定語句はある程度パターン化されていて、過去問題で出題された指定語句も繰り返し出てきます。第12回の問題でも「背景」「感情」「自己探索」「共感」「枠組み」の5つですが、「枠組み」以外はすべて過去問で出題されたものです。

「指定語句」の中には広範囲な意味で、どのように記述の中で使うのか迷ってしまうものも含まれてきます。指定語句から解答を導き出す方法で臨む場合、最初に行う作業は、その語句が相応しい展開で使われるものか(〇)、相応しくない展開で使うもの(×)かの仕分けです。そして、どのように使うのが良いのか迷ってしまうような語句があった場合は語句を加工して(言葉を組み合わせて)記述で使いやすくするという作業になります。また肯定と否定を使い分けると使用する範囲が広がります。

具体的な仕分け例

  1. 「背景」(〇)→「相談者の背景」と加工(「経験」という意味で使える)
  2. 「感情」(〇×)→「感情を受け止める」「感情を受け止めない」
  3. 「自己探索」(〇×)→「自己探索が進む」「自己探索が進まない」
  4. 「共感」(〇×)→「共感する」「共感しない」
  5. 「枠組み」(×)→「思考の枠組み」と加工(「CCtの固定概念」という意味で使える)

次に、事例のCCtの応答の中から上記の指定語句に関連する部分と思われる部分を抜き出す作業となります。

  1. 「背景」→「~何か出来事はあったのですか。」
  2. 「感情」→「改革の流れに合わせていくことができるのかどうか心配になっている」
  3. 「自己探索」→「・・」「・・・」(自問自答モード)
  4. 「共感」→「学生の成長にかかわりたい」
  5. 「枠組み」→「意識改革が必要である」

最後に、解答パターンに従って組み合わせるだけです。解答パターンとは、「事例Ⅰでは①のため②の展開になっている。一方事例Ⅱでは③のため④の展開になっている。」です。①と③にはCCtの対応が、②と④にはこの面談の方向性が入ります。すると「問い1」の解答例は次の通りなります。

事例Ⅰでは、「改革の流れに合わせていくことができるのかどうか心配になっている」というCLの感情を受け止めることなく、「大学改革は時代の流れ」とCCtの考えが一方的に述べられている。また、「学生の成長にかかわりたい」というCLに共感することなく、「意識改革が必要である」とCCtの枠組みで断定的に応答することでCLの自己探索が進んでいない。
一方事例Ⅱでは、相談者の背景を「具体的な何か出来事があったのですか。」と過去の出来事を問うことで経験の再現を促している。また、「何かわだかまりのようなものを感じた」というCLの感情を受け止め、「新しい企画を創造すること」と「業務を滞りなくこなして引き継ぐこと」の意味を問うことで、CLの内省を促し、自己探索が進む展開となっている。

「問い2」の解き方

キャリアコンサルトが「やるべきこと」「やってはいけないこと」を整理しておくことで即答が可能なサービス問題といえます。

CCt6:相応しくない(理由:CCtの考えを一方的に押し付ける断定的な応答で、CLに寄り添っていない)

CCt3:相応しい(理由:経験の再現を促す応答で、CLの自己探索を進ませている)

CCt7:相応しい(理由:経験と自己概念の不一致を問うことによって、CLの経験に対する意味付けを確認しようとしている)

「問い3」の解き方

ここまでの面談の内容を整理すると次のようになります。

  1. 初めて入った教務課で、新しい提案をしたが上司や教員から強い抵抗があった
  2. 通常業務を滞りなくこなして後任に円滑に引き継ぐことが役割と教えられた
  3. 着実に業務をこなすことにやりがいと達成感を持ってきた
  4. 新しい企画を創造しなければ生き残っていけないといわれる
  5. そのことに不安とわだかまりを感じている

ここまでの展開で見えてくる主訴は「今の不安やわだかまりを解消したい」ということになるのでしょう。不安やわだかまりを生じさせている原因(自己概念と経験が不一致の原因)が「相談者の問題点」ということになります。解答例はつぎの通りです。

教務課時代の提案に対して上司や教員から強い抵抗があり、着実に通常業務を滞りなくこなして後任に円滑に引き継ぐことと教えられた。そうすることが自分にやりがいと達成感をもたらすのだという思い込みがあるところ。

「問い4」の解き方

「相談者の問題点」や「主訴」が捉えられれば、今後の面談の展開はそれに沿った内容を記述することになります。一般論や抽象的なスローガンではなく、あくまで「具体的」な記述が求められていることに注意が必要です。事例Ⅱの最後に記載されているCCtとCLの発言の中に「具体的な次の展開」が見えてきます。

キーワードを引き出すと、「新しい企画を創造」「業務を滞りなくこなして引き継ぐ」「良いものは引き継ぎたい」「無駄なものをそのまま続けていく」「それだと成長しない」です。それらのキーワードにCLがどのような意味付けをしているのかを明らかにしていく、そして「思い込み」の意味付けに気づいてもらい、自ら意味付けを修正して、仕事に前向きに取り組んでいけるように支援していく。これが解答の骨子となります。解答例は次の通りです。

「それだと成長しない」というCLの言葉を受けて、「成長した」と思った具体的な過去の経験を聴いていく。そしてCLにとって「成長する」というのはどのような意味があるのかを確認してもらう。「新しい企画を創造すること」や「業務を滞りなくこなして引き継ぐ」と「成長する」ことの意味付けについてもそれぞれの具体的な経験を語ってもらうことによって、それらが対立するものではないということに気付いてもらい、意味を修正し、仕事に前向きに取り組めるよう支援していく。

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