第14回論述試験解答例(JCDA実施分)

論述試験
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「指定語句」より解答を導き出す

キャリアコンサルタント試験、第14回論述試験の解答例とその解説となります。今回も問い1に関しては、「指定語句」より解答を導き出す方法です。繰り返しになりますがこの論述試験の「模範解答」は試験実施団体からは一切発表されていませんので、あくまで数ある解答方法の一つとしてお考え下さい。ご参考までに。

「問い1」の解き方

「指定語句を使用」に着目して、指定語句から逐語録の該当部分を探して、それをつなぎ合わせて解答していく方法となります。第13回の解答例と同様の手順にて解答を導き出していきます。

①最初に指定語句の区分けをする
5つの指定語句をキャリアコンサルタントの対応として「相応しい」(→〇)と「相応しくない」(→×)という基準で分けます。迷うものはとりあえず△とします。すると、次のようになります。

×相談者の背景
×決めつけ
〇内省
△共有
△感情

相応しくないキーワードとして「決めつけ」は簡単に判断できると思いますが、その他の相応しくないキーワードをこの指定語句の中から選ぶのはちょっと迷います。「相談者の背景」は事柄であり、これを積極的に聴くことは相応しいとは言えないと判断します。また「共有」というキーワードは単独の言葉としてはどのように使うかかなり迷うところです。このようなときは言葉を組み合わせて使いやすいように加工するのも一つのやり方です。たとえば「共有」→「価値観の共有」というようにキャリアコンサルタントの相応しくない応答のキーワードとしてとらえることができます。また、「感情」というキーワードも単独では方向性がつかみ難いので「感情を受け止める」「感情を受け止めない」など方向性を明確にして言葉を組み合わせると使いやすくなります。

②事例の中でその語句と関連するCCtの発言や関連部分を見つける
第14回の問題では事例Ⅰが「相応しくない」、事例Ⅱが「相応しい」ので、〇×の言葉が当てはまるところをチェックします。

×「相談者の背景」⇒「どうして関連会社へいくことをやめられたんですか」
×「決めつけ」→「前の役職のプライドが邪魔をして新しい職場に馴染めないことが多い」
×「共有」加工→「価値観の共有」⇒「前の役職のプライドが邪魔をして新しい職場に馴染めないことが多い」
×「感情」加工→「感情を受け止めない」⇒「だんだん自信もなくなってきて」
〇「内省」⇒「寂しくしている A さんを思い描くとどんな風に見えますか。」

③ここまでチェックができたら、あとは前回(第13回の解答例)同様、解答パターンに沿って文書をつなぎ合わせるだけです。

解答例:
事例Ⅰでは「だんだん自信がなくなってきた」というCLの感情を受け止めようとせず、関連会社に行かなかった理由など、相談者の背景を聴いたり、「前の役職のプライドが邪魔して新しい職場に馴染めないことが多い」と決めつけ、CCtの価値観を共有させようとして、CLの自己探索が進まない展開となっている。一方事例Ⅱでは、CCtが「自信がなくなった過去の経験」を問いかけることによって、CLの感じた「寂しさ」という感情を捉えて「寂しくしている A さんを思い描くとどんな風に見えますか。」と応答することによってCLの内省を促し、自己探索が進む展開となっている。

「問い2」の解き方

CCtがやらなくてはならないことと、CCtがやってはいけないことの整理をしておくことで、迷わず解答できるようになります。

CCt5:それでは指導にならないですね。
答え:相応しくない
理由:「気後れすることがよくあります」というCLの感情を含んだ言葉を受け止めようとせず、CCtの考えを一方的に押し付けて、CLに寄り添っていない。

CCt3:実際に仕事をされていて、自信が無くなったり、どう関わったらいいのかと思われることが あったのですか。
答え:相応しい
理由:経験の再現を促す応答で、CLの自己探索を進めさせようとしている。

CCt7:自分らしさを出すには、肩書きが必要ということですね。
答え:相応しい
理由:「自分らしさ」と「肩書」という言葉の意味が関連付けされてしまっていることをCLに気づかせるための応答で、内省を促している。

「問い3」の解き方

この面談のここまでの内容を整理してみると答えが見えてきます。整理する際はCLの「主訴」は何なのか?を頭の片隅でイメージしておくことが必要です。

ここまでの内容:
Aさんらしさ→積極的に部下に話しかける姿→課長の役割、責任と感じていた
Aさんらしさがないといわれる→寂しさを感じる
働きかけること→若い人が自立するにはよくない→積極的に声をかけることを躊躇→卑屈な自分を思い出して寂しくなる
役職や肩書きがあったので自分らしさを出せていた

解答例:
仕事に積極的に取り組む「自分らしさ」とは、役職や肩書という前提の基に成り立っているという思い込みがあり、今役職や肩書を失ったことを卑屈に感じている。ほんとうの「自分らしさ」とは何なのか、に気づいていないところ。

「問い4」の解き方

問い3の答え(CLの問題点)を受け止め、具体的な手法・手順により「主訴」解決する方向・方策を示す必要があると思います。一般論や概念的なことやスローガンを並べることは避けたいところです。

解答例:
「自分らしさ」とは何か、自分らしさを感じた過去の経験を再現してもらい「自分らしさ」の意味を確認してもらう。また「役職や肩書」についてどのように捉えていたか、についても過去の経験を語ってもらうことで確認してもらう。そのことによって、「自分らしさ」と「役職と肩書」がどのように関連付けられてるのかに気づいてもらい、その意味を修正して、仕事に前向きに取り組めるよう支援していく。

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