第18回論述試験解答例(JCDA実施分)

論述試験
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設問は前回試験(第17回)から変更なし

論述試験の設問が、ここ数回若干の変更がありましたが、今回は前回から変更されていませんでした。過去問の対策を行うことで、合格圏内の得点を取ることは十分可能な問題です。相談ケース内容や逐語録の記述も読み解きやすく、第17回試験と比べて若干易化されたように思われます。

「問い1」の解き方

事例Ⅰと事例Ⅱの展開の違いを5つの指定語句を使用して記述する問題で、キャリアコンサルタントが面談全体を俯瞰できているかどうかが問われています。指定語句の使用という、解答記述の「制約」を掛けられていて、50分という短い試験時間の中で、この「問い1」の解答で手間取ってしまい時間を浪費してしまう危険性もあります。事前対策として解答手順や方法を決めておくことで試験本番でも落ち着いて解くことが可能となります。

設問の「指定語句」は、相談ケース逐語録の内容に基づいて抽出、設定されていると考えられます。ですから「展開の違いを指定語句を用いて記入する」という設問を「指定語句を用いて展開の違いを記述する」と読み替えることで、解答へのハードルは一気に下がります。指定語句に注目して解答を進める手順は以下の通りとなります。

  1. 5つの指定語句をキャリアコンサルタントの応答として相応しい語句なのか、相応しくない語句なのか区分けする
  2. 事例Ⅰ(相応しくない展開)から「相応しくない語句」と関連するキャリアコンサルタントの応答を特定し、事例Ⅱ(相応しい展開)から「相応しい語句」と関連するキャリアコンサルタントの応答を特定する
  3. 解答パターンに沿って、解答をまとめる

1について、今回の語句は「先入観」「ものの見方」「助言」「共感」「自問自答」の5つです。「先入観」や「助言」は相応しくない応答のキーワードとしてすぐわかりますが、中には抽象的なものもあり、このままでは使い難いので、語句を加えたキーワードとして考えます。「ものの見方」→「一方的なものの見方」、「共感」→「共感する」、「自問自答」→「自問自答を促す」といった感じです。このように加工するとわかりやすくなります。このように語句の区分けができれば、今回の設問では「先入観」「ものの見方」「助言」は事例Ⅰの中から、「共感」「自問自答」は事例Ⅱの中から該当箇所を特定することになります。

2については、指定語句の関連個所を事例のキャリアコンサルタントの応答の中から特定していきます。相応しくない事例Ⅰからは「先入観」「ものの見方」「助言」の3つです。

  • 「ものの見方」⇒障がい者就労支援というのはこれまでと全く違う分野で、新しいことへの挑戦ですね。そんな時は不安になりますよね。
  • 「先入観」⇒技術職を長くやってこられているので、その分野ではできることはたくさんあると思います。
  • 「助言」⇒もう一度再雇用という選択も考えられたらいかがですか。

相応しい事例Ⅱからは「共感」と「自問自答」の2つです。

  • 「共感」⇒でも、しっくりされなかったのですね?
  • 「自問自答」⇒その時、Aさんの中に何が湧いて来たのですか。

そして3については、まず解答パターン(解答の骨組み)を事前に用意しておいて、上記1、2の要素を組み入れていく流れとなります。解答パターンの基本形の一例は次の通りです。

「事例Ⅰでは、①のため、②という展開になっている。一方事例Ⅱでは、③のため、④という展開になっている。」

というものです。①③には「キャリアコンサルタントの対応」、②④には「この面談の方向性」を入れていきます。ここで「方向性」とは例えば「内省が進む展開」か「内省が進まない展開」ということです。この「内省」という語句は「自問自答」や「自己探索」「自己探求」といった語句に置き換えても良いと思います。また、面談の進め方・流れの基本、すなわち「受け止め」⇒「共感」⇒「経験への問いかけ」⇒「自己探索」⇒「自らの気づき」ができているかどうか、の要素も盛り込むことも忘れずに解答を仕上げます。解答パターンの基本形に上記の要素を組み込んだパターンの例は次の通りです。

「 事例Ⅰでは、CLの(感情)という感情を受け止めようとせず、CCtの(相応しくない具体的なCCtの応答の内容)という(指定語句)のため、CLに寄り添うことなく、内省が進まない展開になっている。一方事例Ⅱでは、CLの(感情)という感情を受け止め、共感して、 CCtの (相応しい具体的な応答の内容)という(指定語句)のため、CLの内省が進む展開となっている。」

これはあくまで一例ですが、ご自身の言葉であらかじめ作成し準備してておくことによって、事件本番で冷静に対応でき面談の俯瞰が可能になります。論述試験の「問い1」は、この面談をCCtとして俯瞰できているかどうか、を問われているのです。

「問い1」の解答例

事例Ⅰでは、CLの「何かしっくりこなくて」という感情を含んだ言葉を受け止めようとせず、「障がい者就労支援というのはこれまでと全く違う分野で、新しいことへの挑戦ですね。そんな時は不安になりますよね。」というCCtの一方的なものの見方や「 技術職を長くやってこられているので、その分野ではできることはたくさんある」といったCCtの先入観 による応答や、「 もう一度再雇用という選択も考えられたらいかがですか。」といった助言を行うことで、CLに寄り添うことなく、 CLの内省が進まない展開になっている。一方事例Ⅱでは、CLの「何かしっくりこなくて」という感情を受け止め、CLに共感し、「その時、Aさんの中に何が湧いて来たのですか。」とCLの自問自答を促す応答を行うことで、CLの内省が進む展開となっている。」

「問い2」の解き方

CCtの応答が相応しいか、相応しくないかを理由をつけて答える問題。キャリアコンサルタントとして「やってはいけないこと」「やらなくてはならないこと」を整理しておけば、短時間で確実に解答可能です。

「問い2」の解答例

CCt7:相応しくない(理由:Aさんの「何かしっくりこなくて」という感情が込められた言葉を受け止めようとせず、「 障がい者就労支援というのはこれまでと全く違う分野で、新しいことへの挑戦ですね。そんな時は不安になりますよね。 」という一方的なCCtの価値観を押し付ける応答で、Aさんに寄り添っていない。

CCt10:相応しい(理由:「私がここに来ることを期待してもらっているわけではないのか。」というAさんの感情が込められた言葉を受け止めて「ご自身への期待が大事ということですか。」とその「自身への期待」という意味を問いかけることで、Aさんの内省を促している。

「問い3」の解き方

この問題の解き方の手順としては、設問の逐語録を読み解き、面談の流れ(ポイント)をまとめて、「来談動機」「自己概念」「経験」「主訴」を整理していきます。面談のポイントは次の通りです。

  • 半年後に定年になるが、定年後どんな働き方をすれば良いか迷っている来談動機
  • 元上司の再雇用の働き方を見て、会社にしがみつくより定年退職すると決めた
  • これまで会社の期待に応えて、会社に貢献してきたという思い(自己概念)
  • 障がい者就労支援の仕事の誘いがあり人の役に立つ仕事をしたいと思った
  • 施設の仕事はひとり一人との話し合いでどんな能力を伸ばしたらよいかを考えることであることを話された
  • 自身の経験が生かせるとと話したが「自分を一旦置いてスタートして欲しい」と言われ、突き放された気もちになった(経験)
  • 自分が期待してもらっているわけではなく、ここでやっていけるのか不安になった
  • これまで会社の期待がモチベーションになっていて、期待されることを望んでいたことに気づいた
  • 他者の期待に応えるために働くのは受け身であると気づいた
  • 主訴(想定):定年退職後もやりがいを持って新たな仕事に挑戦したい。

ここまで整理できれば「相談者の問題点」が自ずと見えてきます。 繰り返しになりますが「相談者の問題点」とは何を意味するのか、まず整理したいと思います。相談者は様々な悩みを抱えて相談にやって来ます。その悩みの中身は「不安」「不満」「葛藤」などです。それらがなで生じているのか?その答えは、自己概念と経験とが合致していないためなのです。その合致していない原因に当たるものが「相談者の問題点」であると言えます。相談者はそうした「問題点」があることに気づいていないか、あるいは問題点と思っていることとは別の「問題点」があることに気づいていないのです。 今回の面談ではその「問題点」に気づき始めたとろまで記載されています。

「問い3」の解答例

他者の期待に応えるために働くことが、仕事のやりがいであるという思い込みがあるところ。

「問い4」の解き方

今後の展開を述べる問題で「あなたならどうする」と問われています。比較的自由に答えられると思いますが、「問い3」で得られた「相談者の問題点」の明確化と主訴(問題解決)へ向けての方策について、具体的にかつ理由も含めて記述することが必要です。つまり、自己探索(内省)をさらに進めさせることで相談者の「自らの気づき」を引き出し、問題解決(仕事への前向きな取り組み)へ向け支援する、という内容になります。

「問い4」の解答例

CLの「これまで良いと思ってきたもの」をについて明確にしてもらうために、良いと思ってきた過去の仕事上の経験を語ってもらう。その経験を振り返りることによって、自身が良いと思ってきたことが、他者の期待に応えることでだけであったのかどうか、他にも仕事にやりがいを感じる経験はなかったのかどうか?自身で確認してもらう。そしてやりがいを持って仕事に取り組むためには何が必要であるのか?CLが仕事に前向きに取り組めるよう支援していく。

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