第25回論述試験解答例(JCDA実施分)

論述試験
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「問い1」の解き方

  1. 5つの指定語句に関連する、事例のCCtの応答を特定する
  2. 指定語句に関連するCCtの応答を解答パターンに当てはめていく
  3. キャリアコンサルタントが行う面談の意味を反映させ、解答文を完成させる

上記の手順で進めると効率的に解答を進めることができます。指定語句の関連個所は「正解」は一つではなく、様々な捉え方ができます。また、抽象的な指定語句には言葉を添えて具体的な言葉に変換することで、関連個所を見つけやすくすることもできます。一例としては下記の通りです。

  • 問題解決」⇒「問題解決に走る」:事例ⅠCCt10「この機会に(気分転換できる趣味を)作ってみてもいいんじゃないですか。」
  • 内省」⇒「内省を促す」:事例ⅡCCt11「見捨てられたくないという気持ちで頑張ってきた自分をどう思われますか。」
  • 価値観」⇒「価値観を押し付ける」:事例ⅠCCt9「そこまで考えなくていいんじゃないですか。」
  • 経験」⇒「経験の再現」:事例ⅡCCt6「Bさんに冷たく当たってしまったことは、何があったのですか。」
  • 感情」⇒「感情を受け止めず」:事例ⅠCCt6「でも、意に添わぬことを会社が決めることはよくありますよね。」

解答パターンをあらかじめ用意しておき、ブランクの箇所に当てはめていきます。解答パターンの例としては下記の通りです。

「事例Ⅰでは、CLの(感情)という感情を受け止めようとせず、「(自己探索が進まない具体的なCCtの応答の内容)」という(指定語句)のため、CLに寄り添うことなく、CLの自己探索が進まない展開となっている。一方事例Ⅱでは、CLの(感情)という感情を受け止め、 「(自己探索が進む具体的なCCtの応答の内容)」という(指定語句)のため、CLの自己探索が進む展開となっている。」

CLの感情が含まれる発言は、共通部分のCLの最後に現れてきます。ここでは「そんな自分が嫌になっています。」です。

「問い1」の解答例

「事例Ⅰでは、自分が嫌になっているというCLの感情を受け止めようとせず、「意に添わぬことを会社が決めることはよくありますよね。」と一般化した応答や、「そこまで考えなくていいんじゃないですか。」とCCtの価値観を一方的に押し付けたり、「気分転換できる趣味を作ってみてもいいんじゃないですか。」と問題解決に走る応答をすることで、CLに寄り添うことなく、CLの自己探索が進まない展開となっている。一方事例Ⅱでは、CLの「そんな自分が嫌になっています。」というCLの感情を受け止めて、「Bさんに冷たく当たってしまったことは、何があったのですか。」と経験の再現や、「見捨てられたくないという気持ちで頑張ってきた自分をどう思われますか。」と内省を促す応答をすることで、CLの自己探索が進む展開となっている。」

「問い2」の解き方

キャリアコンサルタントの応答が「相応しいか」、「相応しくないか」を答える問題です。この設問は抽象的な表現で捉え難いですが、具体的には次の2つの観点で捉えると分かり易くなります。

  • Aさんの気持ちを受け止めてAさんに寄り添っているかどうか
  • Aさんの内省(自己探索)を促しているかどうか

「問い2」の解答例

  • 事例ⅠCCt9:相応しくない(理由:Aさんの気持ちを受け止めず、キャリアコンサルタントの価値観を一方的に押し付ける応答で、Aさんに寄り添っていない)
  • 事例ⅡCCt11:相応しい(理由:Aさんの見捨てられたくないという気持ちを客観視させる応答で、Aさんの内省を促している

「問い3」の解き方

Aさんは、「ありたい自分」に意味づけられたの「モノの見方・考え方」(自己概念)に自信を持てなくなった(「揺らぎ」)ため、相談に来ている

「揺らぎ」の背景には、Aさんが「他人事の世界」に追いやった「見たくない自分」「忘れてしまいたい経験」が控えている

「他人に認められるためには実力が必要」⇒「実力があれば他人に認められる」という自己概念が、顧客の引継ぎがBさんになったという経験で、揺らいだ。「相談者の問題」は、「揺らぎ」の背景にある他人事の世界に追いやった「見たくない自分」を創り出しているもの。

「問い3」の解答例

「見捨てられたくなくて、常に自分を追い込んできた」というAさんの発言から、他者から何かを受け取ろうとする承認欲求が強く、自己中心性があるところ。

「問い4」の解き方

キャリアコンサルタントが行う「今後の方策」とは、どのようなものか

  • 「ありたい自分」をしっかりと自分の中に定着される(「ありたい自分」を視点に経験を確認していく)
  • 印象に残っている経験をその「ありたい自分」で説明できるかどうか検証していく(人生の今までの経験が「ありたい自分」につながっていると感じられるかなどを検証していく)
  • 「自己概念」を明確にして、「ありたい自分」に基づいた経験を生み出すための課題設定(「自己概念」を実現するためにはどのようなことをすればよいのかを考える)
  • 「見たくない自分」を観て「自己概念」(モノの見方・考え方)の変更を促す
  • 「自己概念」に新たな経験を取り込む(「自己概念の成長・発達」)

「ありたい自分」とは、「今の自分の中」にあり、自分自身を「良い」と思う方向に向かわせるエネルギー。問題の出来事に対して「自分の問題としてとらえる」「何とかしようとする」「何とかできる」と思う世界

「問い4」の解答例

・Aさんの「自己概念」を明確にするため、「周りを気にしていただけなんですかね…。」というAさんの発言を受け止めて、周りを気にしてしまったことが印象に残っている言動(経験)を語ってもらう。

・Aさんの「問題点」を明確にするため、語られた経験が、Aさんの「ありたい自分」に基づいているのか、「ありたい自分」につながっているのか、「見たくない自分が」そこに隠れていないのか、Aさんと共に確認・検証していく。

・Aさんの「自己概念」を修正するため、Aさんの「ありたい自分」と「経験」が不一致の原因が、Aさん自身の「モノの見方・考え方」にあることに気づいてもらう。

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