第15回論述試験解答例(JCDA実施分)

論述試験
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設問の記述が変わった!

第15回論述試験では、設問の記述が第14回までと変更されています。「問い1」では、解答条件に「解答用紙に記述する際には、使用した指定語句の下に必ずアンダーラインを引くこと」が追加されました。「問い3」では相談者の問題点を記述する際に「具体的な例をあげて」という条件が追加されました。そして「問い4」では「全体の相談者の語りを通して相談者像を想像し」という文言が追加され、さらに、今後の面談の展開についても「その理由も含めて」が解答条件として追加されました。「問い1」の指定語句の下にアンダーラインは、この試験の初期に設定されていたものですが今回復活ということになります。「凡ミス」を招く要素が増えたことになります。「問い3」の「具体的な例」をあげることや「問い4」の「相談者像の想像」と「展開の理由」も求められることになり、難易度が一気に上がったと言えます。

「問い1」の解き方

第15回論述試験の逐語録は、掲載されているやり取りの分量が増え、全体を読むのにもこれまでの試験よりも「時間がかかる」設問となっています。「指定語句」に着目し、指定語句の内容を示している部分の逐語録を抜き出し、それを組み合わせることで「展開の違い」を述べる方法は、時間のロスを最小限に抑えることが可能になると考えます。

第12回以降の「論述試験解答例」でご紹介した手順と同じ流れで解答を導き出していきます。最初の作業としては、「指定語句」の仕分けです。その指定語句がキャリアコンサルタントの「相応しい」応答に関連する語句なのか、「相応しくない」応答に関連する語句なのかを仕分けるということです。

今回の「指定語句」は、「自己探索」「共感」「経験」「問題解決」「思い込み」の5つです。第13回や第14回の「指定語句」では、抽象的な語句が入っていて、語句の捉え方を迷ってまうような語句設定で難易度が若干高かったような気がします。第15回試験では基本的な語句が設定されていて、迷うことはありません。(「共感」は「する」「しない」と組み合わせることで、どちらにでも使えます)

  1. 「相応しい」語句⇒「自己探索」「共感」「経験」
  2. 「相応しくない」語句⇒「問題解決」「思い込み」

次に「指定語句」と関連する部分を逐語録の記述から抜き出します。

  1. 「自己探索」⇒「その情けさというのはどんなことですか?」(事例Ⅱ)
  2. 「共感」⇒「同ことが続いて混乱されたのですね。」(事例Ⅱ)
  3. 「経験」⇒「自信がなくなることや、利用者さんとうまくいかなかったと思われる出来事があったのですか。」(事例Ⅱ)
  4. 「問題解決」⇒「また、そのような仕事に移ることは考えられますか。」(事例Ⅰ)
  5. 「思い込み」⇒「特許事務所でもあまり人と接する仕事をして来られなかったようですので、そういうことも影響しているのかもしれませんね。」(事例Ⅰ)

逐語録から「指定語句」の該当部分が特定できたら、あとは「解答パターン」に従って組み合わせるだけです。「解答パターン」とは、「事例Ⅰでは①のため②の展開になっている。一方事例Ⅱでは③のため④の展開になっている。」です。①と③にはCCtの対応(応答)が、②と④にはこの面談の「方向性」が入ります。「方向性」とは基本的に「問題が解決する方向に進んでいるか否か」「自己探索(内省)が進んでいるか否か」ということになります。「問い1」の解答例は次の通りなります。

事例Ⅰでは、「これから先のことに不安を抱いている」というCLの感情に寄り添うことなく、CCtの思い込みで「特許事務所でもあまり人と接する仕事をして来られなかったようですので、そういうことも影響しているのかもしれません」と応答している。また、「そのような仕事に移ることは考えられますか。」と、CCtが一方的に転職による問題解決へと誘導しようとしており、CLの内省が進まない展開になっている。一方事例Ⅱでは「自信がなくなることや、利用者さんとうまくいかなかったと思われる出来事があったのですか。」と過去の経験への問いかけを行うことによってCLの内省を促し、「同じことが続いて混乱されたのですね。」と共感的理解を示すことでCLに寄り沿い、「その情けさというのはどんなことですか?」とその意味を問いかけることで、CLの自己探索を進ませる展開になっている。

「問い2」の解き方

キャリアコンサルトが「やるべきこと」「やってはいけないこと」を整理できていれば、時間を掛けずに解答できる設問と言えます。

CCt10:相応しくない(理由:CCtの考えを一方的に押し付ける断定的な応答で、CLに寄り添っていない)

CCt11:相応しい(理由:自己概念と経験が不一致状態である原因を問う応答で、CLの自己探索を促している)

「問い3」の解き方

「問い3」および「問い4」は「CLの問題点」や「主訴」にかかわる設問となります。逐語録よりこの面談を俯瞰して、流れを整理することが解答への近道となります。

  1. 人と関わる仕事がしたいという思いから今の仕事に就いた
  2. 研修では利用者さんに寄り添って介護することの大切さを学んだ
  3. いざ働いてみると利用者さんのことを考えていないのではと思い自信をなくした
  4. 仕事を段取りよくやろうという意識が先に働いている自分を感じ、そうしていることに気づいていない自分に対し情けなさを感じている
  5. 「仕事ができる」=「時間をきっちり管理する」という考えが根付いてしまっていると感じている

ここまでの展開で見えてくる主訴は「仕事の段取りを優先してしまい、利用者さんに寄り添っていないという自分を変えたい」ということになるのでしょう。利用者さんに寄り添えていない原因(自己概念と経験が不一致の原因)が「相談者の問題点」ということになります。「具体的な例をあげる」という設問条件の捉え方が難しいところですが、逐語録の中のCLの具体的な発言から抜粋することで、クリアできると考えれば、解答例はつぎの通りです。

「仕事ができる」ということと、「時間をきっちり管理できる」ということが同じ意味であるという非論理的な信念を抱いているところ。

「問い4」の解き方

設問に追加された「全体の相談者の語りを通して相談者像を想像し」について、「全体」とは事例Ⅰも含めた全体なのか?「想像し」とあるが相談者像については「想像する」だけで、具体的に解答欄に記述する必要はないのか?など疑問が残ります。「理由」については「CLの問題点を解消するため」というのが面談の大きな流れであると思います。解答例はつぎの通りとなります。

CLは、これまでの「営業職」や「特許事務所」の職務経験により根付いてしまった「仕事ができる」=「時間をきっちり管理する」であるという非論理的な信念を抱いてしまっているため、「仕事ができる」ということと「時間をきっちり管理できること」について、それぞれどのような意味を持っているのかを具体的に過去の出来事を語ってもらうことで再確認していく。その上で「仕事ができる」=「時間をきっちり管理する」というのは非論理的な信念であることに気づいてもらい、その意味付けを修正して、仕事に前向きに取り組めるよう支援していく。

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