日常会話での経験への問いかけ
日常会話での「経験への問いかけ」の練習です。職場などで同僚や上司、部下などから言葉を投げかけられることがあります。
それらの言葉には、何らかの感情が含まれているものです。普段は軽く受け流す、あるいは問題解決へのアドバイスをして会話が終了するのが普通です。
例えば「なんだか今日は頭が痛いなあ・・・」と投げかけられた場合、「風邪引いたんじゃない。今日は早く帰ったら」とか「大丈夫?頭痛薬ならそこにあるよ」とか、表面的な「問題解決」への応答をしがちです。通常それで会話は終わります。それが日常会話です。
こんな時、意図的に「経験への問いかけ」の言葉を投げかけてみるのです。まず相手の話を「受け止め」、「共感」して、「問いかける」パターンです。例えば「えっ!頭が痛い?それは辛いね・・・何かあったの?」という応答の仕方です。
経験への問いかけが相手の心の変化を生じさせる体験
このような問いかけに対して相手は、何か出来事を話し始めるかもしれません。あるいは苦痛な表情を浮かべ「別に・・・」と言うかもしれません。無言になることもあるかもしれません。経験への問いかけを行うと相手に何かしらの心の変化が起こるのです。もし、誰かに聞いてもらいたいことがあれば、どんどん自分のことを話し出す。「昨日は飲み過ぎた・・・」「寒空の中、お客に長時間待たされた・・・」「子供が夜泣きして一睡もできなかった・・・」「部長に怒鳴られた・・・」「壁に頭をぶつけた・・・」など、何か人に話したいという願望が隠されていて、誰かに聞いて欲しかった、かもしれません。言葉に現れなくても表情や仕草など何かしらの変化を感じるかもしれません。そんな言葉の投げ方によって、相手の応答、反応が劇的に変わってくる、そんな感覚を体験するということです。そのような言葉の投げかけ方を繰り返していくと、日常会話とカウンセリングという全く違った局面において、事前と意図的な「経験への問いかけ」が自然にできるようになってくるのです。
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