実技試験対策に掛けられる時間は、あまりにも短い
キャリアコンサルタント試験は、最初に学科試験と実技試験の論述試験が行われ、その一二週間後に実技試験の面接試験が行われます。学科試験の出題範囲が広大でしかも細かい数値を覚えなければ答えられない問題も多く、どうしても試験直前は学科試験の「知識詰込み」傾向にならざるを得ません。そのため、実技試験については「なんとかなる」と自分に言い聞かせ、実技試験対策が遅れがちになります。
実技試験なので必要なのは知識だけではではなく、その知識に裏付けられた実技の練習が必要になってきます。しかしながらそのための時間は十分に確保することはできません。そこで、あまり時間が無くても実技試験で少しでも得点を増やすための「本番力」を短時間でつける必要があります。
「本番力」をつけるために「カウンセリングの目的」を理解する
キャリアコンサルタントが面談(カウンセリング)を行う目的は何なのでしょう。養成講座では、様々な理論家の考え方やマイクロカウンセリングなど各種の技法、「受容」「共感」「一致」などのカウンセラーの態度やスキルなど学びますが、「カウンセリングの目的」は何かということについてはあまり議論されていないような気がします。その「目的」が不明確なために、実技試験の練習(ロールプレイ)をしていても「これでよいのか?」という疑問が常に付きまとうのです。「うまくいった感」「うまくいかなかった感」はあるものの不安が残り、そのまま試験本番に突入することになります。
時間が無い中、「キャリアコンサルタントが面談(カウンセリング)を行う目的」を今一度整理し、確認しておくことは、試験本番での突破力(迷った時の対応力)をつけるために大変重要であると考えます。
カウンセリングを行う目的を知るためには、その流れを捉える
面談(カウンセリング)を行う目的とは 、面談の流れ全体を俯瞰してとらえることで、明確になってきます。相談事例に捕らわれない、カウンセリングの大きな流れを理解することで突破力が付くのです。その流れ(目的)は次の通りと考えます。
- CLの来談時の気持ちは「依存的」「自己中心的」「他罰的」
- CCtの「受容的」受け止めの態度
- CLの思い(「不安」「不満」「不信」「葛藤」)の吐露
- CCtの「受容的」受け止めの態度の継続
- CLが自分の抱えている「課題」に自ら気づく
- CCtの「共感的」受け止めの態度
- CLが自分の「本音」(真の自分)に気づく
- CCtの意図的な応答(「内省」を深める支援的態度)
- CLの「内省」(自己探索)が深まる
- CLは「変えたい自分」「変わりたい自分」「ありたい自分」が見えてくる
- CLは「どうすればよいか」「どのような選択肢があるのか」課題を自ら決定していく
- CLの「自律(自立)」(自己解決)
まとめ
面談(ロールプレイ)でCCtがどのような応答をすべきか?という問いには「受容的・共感的応答」ということになりますし、どのような展開をすべきか?という問いには「CLの内省を促す展開」という答えになります。また、今後どのような展開をしていくのか?という問いには「さらにCLの内省を深める」「CLのありたい自分を言語化できるよう支援をする」「今後の選択肢をCL自ら決定できるよう支援する」「CLの自立を支援する」などが大きな方向性となると考えます。その方向性に具体的な肉付けをして解答を完成させるのです。
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