国家資格キャリアコンサルタント試験の実技試験(JCDA実施)で問われること
国家資格キャリアコンサルタント試験の実技試験(JCDA実施)では論述試験と面接試験がありますが、どちらの試験でも共通に問われることは、「キャリアコンサルタントとして、あなたの考える相談者の問題と思われる点」です。この「問題点」を的確にとらえることができれば、他の設問もスムーズに解けるようになります。「問題点」を基軸として「主訴」や「今後の方策」「今後の展開」につなげていけるのです。
「キャリアコンサルタントとして、あなたの考える相談者の問題と思われる点」を的確にとらえる考え方
まず、キャリアコンサルタントの相談者との面談について整理します。相談者がキャリアコンサルタントに相談に来る目的は何か?それは「不安」や「葛藤」「不快」な状態を解消したいということです。これを「主訴」と捉えます。しかしながら来談動機は「転職しようと思って相談に来ました」など、「主訴」が隠されたファーストフレーズということになります。面談ではここから紐解いていき「主訴の把握」や「問題点を把握」していくことになります。
相談者の「不安」「不満」「不快」「葛藤」の原因とは何か?それは「経験と自己概念が不一致状態であること」です。そして「経験と自己概念が不一致状態であること」の原因が「相談者の問題点」なのです。
国家試験レベルの「相談者の問題点」とは?
「就職活動をしていて、自分の適職がわからない」などの相談では、「相談者の問題点」を「自己理解不足」や「仕事理解不足」といったお決まりパターンで捉えることもできるかと思われます。また「コミュニケーション不足」や「周囲のサポート不足」などもよくありがちです。これらの「問題点」は「経験と自己概念が不一致状態であること」の原因というより知識不足や経験不足、性格など表面的な問題の要素が多くあります。そのような問題点の解決策はある程度列挙することができます。
「自己評価が低い」「自己肯定感が低い」といった「問題点」もパターン化されがちですが、これらは「問題点」ではなく「状態」のことで、その状態になっている原因が「問題点」なのです。その元の原因を突き詰めると「自己理解不足」や「仕事理解不足」「コミュニケーション不足」「周囲のサポート不足」ということにもなります。
国家資格キャリアコンサルタント試験の実技試験(JCDA実施)で問われる「問題点」はそのような表面的な「問題点」ではなく「内省をすることで自ら気づく問題点」なのです。
「出来事の受け止め方、捉え方」という目線が必要
国家試験レベルでの「問題点」とは、「出来事の受け止め方、捉え方」という目線が必要であると考えます。つまり、「思い込み」「こだわり」「非論理的な信念」などです。それらが、相談者の過去の出来事(経験)により条件付けられた無意識の「反応」からもたらされていること、そのことに相談者自らが「気づき」、自己概念が修正(成長)され問題解決へ向かっていくのです。過去の出来事(経験)は変えることができません。変えられるのは出来事の「受け止め方」「捉え方」なのです。
経験の再現によって受け止め方を変える
経験への問いかけで、経験を再現してもらうこと。その時何を感じていたのか、その時どんな受け止め方をしていたのか、など客観的に自分の心を観察してもらうのです。自己探索へのスタートラインに立つことになります。
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