実技試験突破のカギ(JCDA実施分)

実技試験
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実技試験で何を問われるのか

論述試験とその後の面接試験(ロールプレイ)において、JCDAが求めるキャリアコンサルタントのあるべき姿という観点から「カウンセリングとは何か?」について、改めて整理しておくことは、試験対策としての最重要ポイントと考えます。

制限された試験時間や解答のルールなど、各問いに対する技術的な「解き方のコツ」も重要ですが、その前に、相談者の心のメカニズムやキャリアコンサルタントの意図的なアプローチについて、論述試験の指定語句にも登場するキーワードの意味を解明すべく、再確認していきたいと思います。

養成講座を修了された方は、試験対策に入るとどうしても学科試験対策に多くの時間と労力を費やしがちです。学科試験の膨大な出題範囲や内容の深さを考えると当然だと思われます。一方実技試験は、時間と労力を掛ければからなず合格ラインに達する、というものでもありません。論述、面接を含めて実技試験で合格ラインに達するためには、「カウンセリングとは何か?」という基本的なメカニズムを再確認することが最重要と考えます。養成講座では「論述試験の解き方」や「面接試験(ロールプレイ)のやり方」など具体的な試験対策としての講義はありませんので、ほとんどの方が実技試験(論述・面接)について「不安」を抱えたまま講座修了となっているのではないでしょうか。

学科試験は、過去問を中心に勉強を繰り返すことで点数は確実に伸びますが、実技試験は単純に勉強時間に比例して点数が伸びるとは限らないのです。

相談者の心のメカニズムとキャリアコンサルティング

JCDA実施の論述試験「問い1」で登場する「指定語句」は、キャリアコンサルタントが相談者と行う「面談」(カウンセリング)の考え方が反映されたものとなっています。論述試験「問い1」はもとより、面接試験を含めた実技試験全般で「解答」へのキーワードとなりうるものの意味や解釈を整理することは、試験突破の最重要ポイントとなると考えます。

キーワードを中心に、以下のQ&Aを参照して、各語句に込められた「相談者の心のメカニズムとキャリアコンサルティング」の理解度を深めてください。

★人はどのような世界に存在して、何を考えているのか?

  ⇒「自分を取り巻く世界(自分が「良い」と思える主観的な世界)」に存在していて、「ありたい自分」に紐づけられた、「モノの見方・考え方」(自己概念)を持っている

★「ありたい自分」とは何か?

  ⇒「今の自分の中」にあり、自分自身を「良い」と思う方向に向かわせるエネルギー問題の出来事に対して「自分の問題としてとらえる」「何とかしようとする」「何とかできる」と思う世界

★「自分が存在していない世界」とは何か?

  ⇒「他人事の世界」に位置づけられ、「見たくない自分」「忘れてしまいたい経験無かったことにしたい経験)」が押しやられている世界

★「防衛」とは何か?

  ⇒「見たくない自分」「忘れてしまいたい経験無かったことにしたい経験)」を「他人事の世界」に押しやること(経験から受け止めた「意味」を否定すること)

★相談者が行う、自らの「経験の再現」とは、どのような意味を持つのか?

  ⇒「主観の客観視」を行うこと

★「主観の客観視」を行うことで、相談者の中で何が起こるのか?

  ⇒内省自己探索)に向かう

★相談者が語る「経験」には、何が見えてくるのか?

  ⇒相談者の「ありたい自分」に意味づけられた「モノの見方・考え方」(自己概念)が投影されている(相談者は、「自己概念」を背景に「出来事を経験」しているという見方で聴く)

★キャリアコンサルタントが「再現すべき経験」とは、どのような」経験・出来事なのか?

  ⇒相談者が相談に来る「きっかけとなった経験・出来事」を「意図的」に聴く

★「経験の再現」を行うことの意味とは何か?

  ⇒相談者が行う「経験の再現」によって、相談者はそこに映った「自分を客観視」することで、その「経験に投影」されている「モノの見方・考え方」に気づき、今まであったものが明確に意識されること

★「自己概念の影」とは何か?

  ⇒「内省自己概念の客観視)」を促す手掛かりのなるもの。自己概念が経験に投影された結果現れる、「言葉」「表現」「態度」など(経験に映し出された自己概念」)のこと

★「自己概念の影」の中身は何か?

  ⇒「その人らしさ」が現れる、「独特の表現」「矛盾した表現」「何度も繰り返される言葉」「信念」「モットー」「無言(語られなかったこと)」

★「意味の実現」とは何か?

  ⇒相談者の「自己概念」を明確にして、相談者が「ありたい自分」に基づいた経験を生み出すための課題設定その実行のこと

★「創造した経験」とは何か?

  ⇒相談者が自らの意思によって生み出した経験のこと

★キャリアコンサルタントが行う「今後の方策」とは、どのようなものか?

  ⇒「ありたい自分」をしっかりと自分の中に定着される作業(「ありたい自分」を視点に経験を確認していく作業)、印象に残っている経験をその「ありたい自分」で説明できるかどうか、人生の今までの経験がつながっていると感じられるかなどを検証していくこと

  ⇒現状のステージ(職場や家庭)で「自己概念」を実現するためにはどのようなことをすればよいのかを考えること

★相談者は何を求めて相談に来るのか?

  ⇒今まで抱いてきた自分の「良し」としてきた「モノの見方・考え方」(自己概念)に自信が持てなくなってきた(「揺らぎ」を感じた)。相談者は「自己概念」の確認を求めて相談に来る。

★「揺らぎ」の背景に控えているものとは何か?

  ⇒「見たくない自分」「忘れてしまいたい経験」が背景に控えている

★キャリアコンサルタントが相談者の話を聴く上での心がけとは何か?

  ⇒相談者が「自己概念の揺らぎを経験している」をことを念頭に、話を聴く心がけが重要。「相談者の悩み」を「自己概念の揺らぎ」の表現として聴く」ことが必要

★「借り物の自己概念」とは何か?

  ⇒「見たくない自分」「忘れてしまいたい経験」に紐づいている。「悩み」とともに生まれるもの

★「内省」とは何か?

  ⇒「見たくない自分」を観て「モノの見方・考え方」の変更を促すこと。「内省」は痛みを伴うため相談者への思いやりが必要

★「承認欲求」を伴う相談者の意識とはどのようなものか?

  ⇒他者から何かを受け取ろうとする意識(「信頼」「友情」など)=「ありたい自分」の発露

★「満足欲求」を伴う相談者の意識とはどのようなものか?

  ⇒個性を発揮し、「自分らしさ」を示したい意識=「ありたい自分」の発露

★「自己概念の成長・発達」とは何か?

  ⇒「自己概念」に新たな経験を取り込むこと

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