「問い1」の解き方
最初に「事例」(共通・Ⅰ・Ⅱ)の内容と全体の流れを把握します。次に指定語句に着目し、事例Ⅰ・ⅡのCCtの応答(合計10か所)の関連を特定します。その後、「解答パターン」に当てはめ、解答文を完成させます。
- 「決めつけ」:事例ⅠCCt5「達成感を得られる会社にもう一度転職してはいかがですか?」
- 「固定観念」:事例ⅠCCt6「達成感を求めるのであれば、仕事を優先するべきじゃないですか。」
- 「内省」:事例ⅡCCt7「Aさんのどんな思いがあるのでしょうか。」
- 「共感」:事例ⅡCCt9「できない自分を見られたくないという思いで、Aさんはがんばってこられたんですね。」
- 「意味づけ」:事例ⅡCCt8「Aさんの何かそう思わせているのでしょうか?」
解答パターンの一例です。このような解答の骨組みをあらかじめ準備しておくことで、試験当日、落ち着いて素早く解答文の作成に着手できます。
「事例Ⅰでは、CLの(感情)という感情を受け止めようとせず、「(自己探索が進まない具体的なCCtの応答の内容)」という(指定語句)のため、CLに寄り添うことなく、CLの自己探索が進まない展開となっている。一方事例Ⅱでは、CLの(感情)という感情を受け止め、 「(自己探索が進む具体的なCCtの応答の内容)」という(指定語句)のため、CLの自己探索が進む展開となっている。」
「問い1」の解答例
「事例Ⅰでは、Aさんの「悔しい」という気持ちを受け止めようとせず、「達成感を得られる会社にもう一度転職してはいかがですか」とCCtの独断で決めつけたり、「達成感を求めるのであれば、仕事を優先するべきじゃないですか。」とCCtの固定観念を押し付ける応答で、Aさんに寄り添うことなく、Aさんの自己探索が進まない展開となっている。一方事例Ⅱでは、「Aさんのどんな思いがあるのでしょうか。」と内省を促したり、「Aさんの何がそう思わせているのでしょうか?」と「努力が結果につながらない」意味づけを質問したり、「できない自分を見られたくないという思いで、Aさんはがんばってこられたんですね。」と共感することで、Aさんの自己探索が進む展開となっている。」
「問い2」の解き方
キャリアコンサルタントとしての着目点は次の通りです。
- 相談者の気持ちを受け止めて、相談者に寄り添っているかどうか
- 相談者の内省(自己探索)を促しているかどうか
「問い2」の解答例
- 事例ⅠCCt5:相応しくない(理由:キャリアコンサルタントのi一方的な考えを押し付ける応答で、Aさんの「悔しい」という気持ちを受け止めず、Aさんに寄り添っていない)
- 事例ⅡCCt7:相応しい(理由:Aさんの「自分で勝ち取る」「自分の力で役に立つ」という発言を捉え、その意味を問う応答で、Aさんの内省を促している)
「問い3」の解き方
Aさんは、「ありたい自分」に意味づけられた「モノの見方・考え方」(自己概念)に自信を持てなくなった(「揺らぎ」)ため、相談に来ている
「揺らぎ」の背景には、Aさんが「他人事の世界」に追いやった「見たくない自分」「忘れてしまいたい経験」が控えている
「自分の努力が結果につながらないと意味がない」というのは「見たくない自分」に紐づいている「借り物の自己概念」である
「見たくない自分」とは、「できない自分」のこと
Aさんは「見たくない自分」に紐づいた「借り物の自己概念」を抱いており、「ありたい自分」に近づくためには「自己概念の修正」が必要になる
「相談者の問題」は、「揺らぎ」の背景にある他人事の世界に追いやった「見たくない自分」を創り出しているもの
「問い3」の解答例
「自分の力を周囲に認めさせたいという思いが強く、周りが見えなくなっているところ」
「問い4」の解き方
- 「ありたい自分」をしっかりと自分の中に定着される(「ありたい自分」を視点に経験を確認していく)
- 印象に残っている経験をその「ありたい自分」で説明できるかどうか検証していく(人生の今までの経験が「ありたい自分」につながっていると感じられるかなどを検証していく)
- 「自己概念」を明確にして、「ありたい自分」に基づいた経験を生み出すための課題設定(「自己概念」を実現するためにはどのようなことをすればよいのかを考える)
- 「見たくない自分」を観て「自己概念」(モノの見方・考え方)の修正を促す
- 「自己概念」に新たな経験を取り込む(「自己概念の成長・発達」)
「ありたい自分」とは、「今の自分の中」にあり、自分自身を「良い」と思う方向に向かわせるエネルギー。問題の出来事に対して「自分の問題としてとらえる」「何とかしようとする」「何とかできる」と思う世界
「問い4」の解答例
・Aさんの「ありたい自分」を明確にするため、「やりがい」や「達成感」を感じてた出来事(経験)を語ってもらう。
・Aさんの「見たくない自分」を明確にするため、「できない自分」ということが印象に残った出来事(経験)を語ってもらう。
・Aさんの「問題点」を明確にするため、語られた経験が、Aさんの「ありたい自分」に基づいているのか、「ありたい自分」につながっているのか、「見たくない自分が」そこに隠れていないのか、Aさんと共に確認・検証していく。
・Aさんに「自分の力を周囲に認めさせたいという思いのため、周りが見えなくなっている」ことに気づいてもらい、Aさんが「自己概念」を修正して、仕事に前向きに取り組めるよう支援していく。
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